長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
とんかつ・かつ丼チェーンの雄「かつや」の顧客離れが止まらない。
4月3日、アークランズが発表した「売上高前年同月比推移に関するお知らせ」によれば、かつや直営店における3月の既存店客数は97.9%と前年を下回った。2024年9月以来、7カ月連続の客数減となっている。
一方、既存店売上高はその間、2月に99.9%とわずかに前年を下回ったのを除くと、全て前年を上回っている。既存店客単価も全ての月で前年を上回っており、客数減を客単価の増加で補って、売上増をキープしていることがうかがえる。
客数減の要因として考えられるのは、たび重なる値上げである。2024年10月に主力商品を30〜40円程度値上げして以来、客数減が定着してしまった。昨今の米価急騰があるため値上げは必要だが、そろそろ顧客が付いていけなくなってきたわけだ。
3月7日にも一部商品の値上げを行っている。この値上げでヒレカツ定食はついに1000円を超えた。一方で最もベーシックなカツ丼(梅)は、ソースカツ丼(梅)とともに649円で据え置き。そのため、ある程度値上げの影響は緩和されたと推測される。
アークランズの外食部門、アークランドサービスホールディングスによれば、値上げの理由は「原材料価格の高騰やエネルギーコスト、物流費、人件費等の上昇の影響」だという。
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