Switch2登場で「レガシーIP戦略」はどう変わる? 任天堂IPのマーケ戦略の裏側(1/6 ページ)

» 2025年04月29日 07時00分 公開
[金森努ITmedia]

著者プロフィール:金森努(かなもり・つとむ)

有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師

金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。

2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。


 ゲーム業界のみならず、エンターテインメント業界全体が固唾(かたず)を飲んで見守る、任天堂の次世代ゲーム機、通称「Switch2」の動向。現行機Nintendo Switchが驚異的な成功を収めた後だけに、その後継機がどのような姿で現れ、そして任天堂がどのような戦略を描いているのか、注目が集まるのは当然のことだ。

任天堂のSwitch2(出典:任天堂の公式Webサイト)

 特に興味深いのは、Switch2の登場に合わせて、任天堂が過去の膨大なIP(知的財産)資産をどのように活用しようとしているかという点である。報道によれば、任天堂は本体だけでなく、関連会社のリソースまで動員し、過去タイトルの動作検証に力を入れているという。すでに「リズム天国」や「トモダチコレクション」といった、DSやWii U世代で人気を博したIPの復活がうわさされており、ファンの期待は高まる一方だ。

 この任天堂の「レガシーIP戦略」とも呼べる動きを、マーケティングの視点から深掘りしてみたところ、単なる過去作の移植やリメイクにとどまらない、任天堂ならではの緻密な戦略が見えてきた。

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