有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。
「ユニクロ」や「GU」で知られるファーストリテイリング。実は中〜高価格帯ファッションブランドも傘下に抱えていることをご存じだろうか。「Theory」(セオリー)や「PLST」(プラステ)がそれである。ファッションに興味のある人からすれば「そんな当たり前のことを今更」と思うかもしれないが。
1000円台のTシャツから10万円台のスーツまで。なぜファーストリテイリングは、これほどまでに異なる価格帯の製品を展開できるのか。
セオリーは1997年に米ニューヨークで設立された中〜高価格帯のアパレルブランドだ。
2009年にファーストリテイリングが、セオリーを展開していたリンク・セオリー・ホールディングスを完全子会社化。翌2010年にセオリー事業再編を発表し、現在では国内でもその名を広めている。高品質な素材と洗練されたデザインを取り入れたシンプルなアイテムが特徴で、アッパークラスのビジネスパーソンや洗練されたライフスタイルを持つ消費者の支持を集めている。
こうしてファーストリテイリングは、高価格帯への「守備範囲」を広げたことになる。
2018年、ファーストリテイリングはさらに、リンク・セオリー・ホールディングスの1ブランドだったプラステを分社化・独立させた。プラステはシャツなら1万円前後で買える「高すぎず、かといってチープすぎない」という価格帯で、30〜50代の働く大人をターゲットに据える。
休日着としても使えるビジネスカジュアルを中心に展開し、「セオリーとユニクロの間」を埋める市場も押さえている。
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