ファーストリテイリングの強みは、異なる市場で展開する4つのブランドを、1つの企業グループとして最大限に活用している点にある。
各ブランドは独自の市場ポジションを持っており、セオリーは高級路線、プラステは上質なカジュアル、ユニクロは品質重視の中価格帯、GUはトレンド発信型の低価格帯と、それぞれが異なる消費者層にアプローチしている。
同社の成功は、各ブランドの独自性を保ちながら、全体としては一貫性のある価格戦略を展開している点にある。製品の調達や製造プロセスを共有することで、高品質を維持しながらコストを抑制。各ブランドの強みを生かしつつ、グループとしての競争力を高めているのだ。
一見すると複雑に見えるこの戦略だが、その本質は明快だ。ブランドごとに価格帯とターゲット層を明確に分け、それぞれの独立性を保ちながら、グループ全体で効率化を追求している。今後もその戦略に注目し、アパレル業界全体の動向を見守りたい。
有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。大学でマーケティングを学び、コールセンターに入社。数万件の「本当の顧客の生の声」に触れ、「この人はナゼこんなコトを聞いてくるんだろう」と消費者行動に興味を覚え、深くマーケティングに踏み込む。(日本消費者行動研究学会学術会員)。
コンサルティング会社・広告会社(電通ワンダーマン)を経て、2005年に独立。30年以上、マーケティングの“現場”で活動している「マーケティング職人」。マーケティングコンサルタントとして、B to B・Cを問わず、IT・通信、自動車・電機・食品・家庭用品メーカー、金融会社、生損保、自動車販売、EC等、幅広い業種に対応し、新規事業・新商品開発・販売計画・販売のテコ入れ案・コミュニケーションプランの策定等、幅広くマーケティング業務の支援を行っている。講師としても業種を問わず、年間100コマ以上の企業研修に登壇。コンサルティング経験を元に企業課題に合わせた研修のオリジナルのコンテンツやカリキュラムを提供。研修によってマーケティングを「知っている」だけではなく、「業務に生かせるようになること」にこだわっている。執筆は、「初めてでもマーケティングが楽しく体系的に学べる本」をテーマに10数冊刊行。「3訂版 図解よくわかるこれからのマーケティング」(同文舘出版)など。
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