ファーストリテイリングの価格戦略を理解するには、「バリューライン」という考え方が有効だ。これは価格と価値を2つの軸として、商品の市場ポジションを分析する手法である。
価格と価値を縦と横の軸に取ると、価格が低くて価値も低いのは「エコノミー戦略」という。価格と価値が中ぐらいのポジションを「中価値戦略」という。価格も高ければ価値も高いのが「高価値戦略」だ。そして、価格と価値が正比例したポジションを「バリューライン」と呼ぶのである。
ファーストリテイリングの各ブランドは、このバリューラインにきれいに乗る形でポジショニングしていることが分かる。
その先駆けとなったのがユニクロだ。1997年頃から米国発のSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel=製造から小売までの垂直統合)モデルを導入し、低価格・高品質路線へと転換。バブル崩壊以降、30%も市場が縮小していた衣料品業界で、急速な成長を遂げた。
当時のアパレル市場には、明確な階層構造が存在していた。総合スーパーの衣料売り場は「安かろう、悪かろう」の典型である「エコノミー戦略」、ジーンズメイト、ライトオンといったカジュアルウェア専門店は「中価値戦略」、百貨店に入った有名ブランドは「高価値戦略」を展開していた。
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