一方、令和の家には、どのような特徴があるのか。サザエさんの時代が「人をもてなす家」だとしたら、いまは「暮らしに寄り添う家」に変化している。最も象徴的なのは、客間が消えたことだ。
子ども一人ひとりに部屋が与えられ、夫婦それぞれがテレワークや趣味に使う空間を持つケースが増えてきた。磯野家の間取りを見ると、客間や廊下に使っていたスペースを、いまでは収納やクローゼットなどに活用しているケースが多い。
こうした変化の背景に、何があるのか。「共働きの世帯が増え、時間も空間もシェアする余裕がなくなったことで、客間がほぼなくなりました。結果、昭和の間取りと比べると、1人当たりのスペースが広くなっていますね」と語るのは、オープンハウスの広報担当者。
また、特に都市部で目立つのが「3階建て」である。東京都の戸建て住宅に占める3階建ての割合(※)を見ると、1950年以前は9.51%だったが、2019年1月〜2023年9月には18.25%に増加。つまり、ほぼ2倍に拡大しているのだ。
オープンハウスの3階建ての間取りを見ると、「高さ」を生かしたものになっている。例えば、かつてデッドスペースだった階段下には、収納スペースやトイレを設置し、階段には扉がない。断熱性や気密性の向上によって、扉を付けなくても、室温が快適に保たれるようになったのだ。
このように考えると、間取りはライフスタイルの変化だけでなく、設備の進化によっても変遷してきたようだ。
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