参加者フォローアップを支援したGoodpatchの秋山氏が、「Relight」を紹介。まず秋山氏は、Relightプログラムの根幹にある問いを投げかけた。
「もしあなたが頑張って出したアイデアが落選したら、次の年もまた出そうと思えるでしょうか? 再挑戦しようと、もう一度前を向くための『場』や『つながり』が、あなたの周りにはあるでしょうか?」(秋山氏)
Relightは、単なる落選者フォローではなく、「もう一度前を向くため」の仕組みとして設計された、と秋山氏は続ける。
当時のSpark Xが抱えていた「落選者フォローのリソース・ノウハウ不足」「アイデアの解像度・言語化の壁」「応募者同士のつながり不足」という課題に対し、Goodpatchは3つの設計方針を立てた。
目指したのは、「落選者を『挑戦者』として称えながら、スキルアップと仲間づくりの仕組みを整え、次年度にチャレンジする人(継続・新規)を増やす」こと。
そのためにまず行われたのが、「挑戦者の分析・ターゲティング」である。挑戦者の価値観や思考パターンを分析することで、「アイデアはあるが熱量が継続しづらい層」と「事業化への関心以上に自己成長を求める層」の2タイプに特に着目した。彼らのニーズや理想的なゴール状態、提供すべき価値を定義し、コンテンツ設計へとつなげていった。
さて、フォローアッププログラムを設計しても、挑戦者たちに参加してもらえなければ意味がない。そこで重要になるのが「社内マーケティング」の視点だと秋山氏は強調する。Goodpatchでは、社内ビジコンの文化醸成プロセスを「AISACS(アイザックス)」というモデルで概念化している。
Relightでは、特に前半の「AIS」、すなわち「なんか気になる」「行ってみたい」と思わせる魅力づくりに注力した。具体的には、ターゲット層に響くメッセージを込めたキービジュアルやノベルティの制作、落選直後のタイミングでのWeb招待状送付など、会社や事務局の本気度と再挑戦を応援する姿勢を「見える化」する工夫を凝らした。
「これらの例は、あくまで一例です。お金をかけなくても、『認められた実感』『つながり・承認』『挑戦の証が残る』といった点で工夫すれば、参加者が自然と『参加したほうが得だ』と感じられる仕組み作りは可能です」(秋山氏)
重要なのは、「落選しても挑戦自体が評価される」ことだ。その安心感が、“やってみよう”というマインドにつながっていく。
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