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「SNSのフォロワー数は増えているのに、売り上げへの貢献が見えない」「オンライン施策と店舗集客の関係性が分からない」――。多くの広報・マーケティング担当者が、一度は直撃したことがある課題だろう。
そんな中、つけ麺チェーン「三田製麺所」を運営するエムピーキッチンホールディングス(東京都渋谷区)は、SNSやWebを活用した認知拡大から、コアファンの育成、そして売り上げ貢献までを可視化する独自のロジックを確立した。同社の経営企画部 広報・IR担当マネジャーである堀遼平氏に、その具体的な手法を聞いた。
本記事の内容は、コミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」を提供するコミューンが1月16日に開催したセミナー『三田製麺所のマーケターが実践!「それ売上に繋がるの?」に応える認知獲得 コアファン化までのロードマップ』の内容を要約したものです。
施策に対して「それ意味あるの?」「他のことに予算使った方がいいんじゃないの?」「それで売り上げはいくら上がるの?」――などと言われたことのある広報・マーケティング担当者は多いのではないだろうか。堀氏は、多くのマーケターが直面する課題をこう説明する。
「広報・マーケティング施策の成果は、自分たちがいる界隈にしか伝わっていない。それが、この課題が生まれる理由です。例えば、メディアへのブランドの露出量、SNSでの拡散数、ブランドの認知の定量指標、顧客のロイヤリティーといった指標は、広報マーケティング界隈の人間にはなじみ深いものですよね。しかし、経営層や営業部、その他の社内の人間にとってはどうでしょうか」
この課題に対し、三田製麺所が見いだした解決策が「可視化ロジック」の確立だ。広報・マーケティング以外のチームにも成果を理解してもらいたいのであれば、歩み寄ったレポートが必要だ。営業や経営のKPIと広報・マーケティングのKPIをひも付けて、“伝わりやすい指標”に換算できればいいと考えたという。
具体的には以下のような施策を展開した。
まず、指標の振り分けだ。広報・マーケティングのKPIと、営業や経営のKPIのひも付けがしやすいものと、そうでないものとで分類。そこで「定量化しやすい」と判断された露出量やSNSの拡散数といった指標と、店舗の売り上げ数との相関性を見いだすことができれば、広報・マーケティングの成果を可視化できるのではないかと考えた。
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