アジャイル開発を導入したことで、最も多くのエンジニアが実感しているメリットは「柔軟・迅速な対応」だった。プロジェクト管理ツールを提供するアジャイルウェア(大阪市)がシステムエンジニア400人を対象に実施した「アジャイル開発に関する調査」で明らかになった。
アジャイル開発を導入した目的について、1位が「要求や仕様変更への柔軟・迅速な対応」(58.5%)、2位が「市場投入の加速」(34.5%)、3位が「品質向上や不具合修正の迅速化」(30.0%)となった。
アジャイル開発に感じているメリットについても「要求や仕様変更への柔軟・迅速な対応」(49.5%)が最多となり、導入目的と実際の効果がほぼ一致していることが分かった。
アジャイル開発導入前と導入後を比較した成果については、「期待通りの成果」(59.0%)が最多で、「期待以上の成果」(18.5%)と合わせて、約8割がポジティブな成果を実感していた。
回答者からは、「業務の効率化・スピード向上により、生産性が向上した」「コミュニケーションが円滑になり、認識のズレが減った」といった声が寄せられた。
一方、「期待した成果が出なかった」と回答した人は22.5%で、回答者からは、「メンバーのスキル不足が影響した」「仕様変更が多く、開発者の負担が増大した」といった声が上がった。
アジャイル開発の運用課題については、「リリース計画やロードマップが立てにくい」(37.5%)が最も多く、「メンバーの知識・スキル不足」(25.5%)、「スコープの頻繁な変動管理が難しい」(25.0%)が続いた。
一方、アジャイル開発で「期待した成果が出なかった」と回答した人は、成果が期待以上・期待通りと回答した層に比べると、「レガシー環境や大規模案件への適用が難しい」「手法やツール運用の形骸化」「ドキュメンテーション不足」といった課題を抱えていることが明らかになった。
アジャイル開発を社内に浸透させるための工夫については、1位が「教育・トレーニングの実施」(29.5%)、2位が「ツールの整備」(28.0%)、3位が「ガイドライン・テンプレートの整備」(27.5%)となった。
続いて、4位には「特に実施していない」(23.0%)が入り、アジャイル開発は形式的な導入にとどまっている企業も多く、ノウハウやリソース不足が社内浸透を妨げている可能性がある。
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