船井総合研究所と神戸大学大学院経営学研究科の共同研究によると、100億企業に成長するケースには「既存ビジネスの精緻化」「新たなビジネスモデルの創造」「ビジネスモデルの補強」という3つの勝ちパターンがあるという。
「既存ビジネスの精緻化」は、徹底したコスト管理や利益率の改善、取引先の再構築などにより、既存ビジネスの利益率の改善に取り組むケースだ。船井総合研究所の真貝大介社長は「儲からない客をカットしている」と説明した。
「新たなビジネスモデルの創造」は、価格ではなく顧客価値に焦点を当て、顧客の課題にアプローチでき、かつ市場がまだ取り組んでいない事業の創出を目指すケースだ。
「価格を重視するのではなく、顧客の課題を解決することを目指す姿勢が重要。この際にポイントになるのは、継続的な取引が見込めるストック・ビジネスを構築することだ。また、過剰投資や投資不足を避け、徐々にビジネスモデルを拡張していくルーティンの姿勢も重要となる」(神戸大学大学院経営学研究科 特命助教 久保雄一郎氏)
船井総合研究所の真貝社長は、「儲からない顧客をカットし、残った顧客にフォーカスして新しい市場を見いだすことが重要。100億企業と聞くと、売上高20億円の事業を5つ展開する──というイメージがあるかもしれないが、主要事業を掘り下げて、それと関連する市場を新たに開拓して行く流れなのだと思う。80億円の主要事業と、20億円の関連事業で構成するイメージだ」と話した。
3つ目の「ビジネスモデルの補完」は、顧客の状況を知り、カスタマージャーニーを深く理解することで今のビジネスを補強していくケースだ。例えば、主力サービスのアフターマーケット商品の提供や、自社内でのクロスセル提案の強化などが挙げられる。
「ファミリー企業などの場合は、これまで先代が大切にしてきたことにメスを入れるのが難しいかもしれない。しかし、1ポイントでも2ポイントでもいいから、利益率を改善していく企業体制が重要。その後、投資をパターン化していくというようなメカニズムに入っていくのではないか」(船井総合研究所 真貝社長)
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