長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。
ゼンショーホールディングス(HD)は、2025年3月期決算において、日本の外食企業で初の売上高1兆円を達成した。売上高1兆1367億円(前年同期比17.7%増)、経常利益718億円(同41.2%増)は非常に立派な成績だ。
一方で、傘下の主力業態「すき家」では、4月の既存店売上高が対前年同月比で92.8%。既存店客数も84.0%と、前年実績を割り込んでしまった。客数の減少率は15%を超えていて深刻だ。ネズミ入りみそ汁に続き、ゴキブリの混入が発覚した。連続異物混入事件の影響が顕著に出てしまった。
ちなみに、3月の既存店売上高は111.0%ながら、既存店客数は99.%と前年を割れた。ネズミ混入事件が報道により広まったのは、3月22日。それからまだ3月の営業日は休業した31日を除外して、8日間残っていたが、そのわりには売り上げが落ちなかった。それだけ、4日間の休業で失った顧客離れが大きかったということだろう。
牛丼チェーン3社の中でも、すき家はとりわけ業績好調だった。既存店売上高は、2021年3月から2025年3月まで、49カ月も連続で前年同月を上回っており、絶好調と言っても過言でなかった。
これまでのすき家は、24時間常時オープンしていることで、食のインフラとして使命を果たそうと努めてきた。油断したわけではないだろうが、さすがにネズミとゴキブリのWショックは大きかった。小さなネズミの死骸がまるごと混入したみそ汁を提供。さらには、ゴキブリの一部が入ったテークアウト商品を販売してしまった。特にネズミに関しては、ゼンショーHDの社員も「こんなことが起こるとは信じられない」と驚くレベルの失態であった。
すき家の「大炎上」「全店休業」なぜ起こった? ネズミや害虫の「混入」ではない根本原因
「すき家」は、なぜ2カ月も“ネズミ混入”を伏せたのか? 対応の遅れが招いた大炎上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング