ゼンショーHDは、公式Webサイトへの掲載を控えていたことで顧客に不安と懸念を抱かせたと、3月22日のプレスリリースで謝罪している。プレスリリースを読む限り、異物混入に対して、適切に対処しており、特段責められることをしたとは思えない。しかし、結果的にネズミ入りみそ汁を提供したことを隠蔽(いんぺい)したかのように見えてしまったのはまずかった。
それに追い打ちをかけたように、今度は昭島駅南店でゴキブリ混入が起こってしまった。混入した経路はついに特定できず、当該店舗のみならず、ほぼ全店舗を休業して徹底的に清掃する事態に追い込まれた。
鳥取南吉方店と昭島駅南店はともに改装を行い、再オープンが他の店よりも遅れた。すき家は順次、白い外装の新しいデザインの店舗に、全国店舗をリニューアルしており、両店ともちょうど良い改装の機会になったかもしれない。
4日間の休業中にすき家を訪れてみたところ、店員を集めてミーティングをしている様子が見られた。SNSにも「ちゃんと掃除をしていた」といった書き込みもあり、概ね好意的に受け止められていた。もちろん営業すればそれだけの収益が上がっただろうが、目先の利益より、損してでも普段は行き届かない隅々まで清掃をしただけの成果はあったのではないか。再開後にすき家に行った人からは「見違えるようにピカピカになった」といった感想が多く聞かれた。
このように、すき家のクレンリネスは改善されたが、今度はグループ内の回転すし業態「はま寿司」中津店で4月18日、吸水シートが「まぐろ大葉はさみ揚げ」に混入していたことが発覚した。
同店は4月10日から23日までプレオープン期間中で、スタッフが慣れない手つきで調理していたため、誤って混入させてしまったと考えられる。ネガティブな情報は載せない方針なのか、報道がなされてもはま寿司の公式Webサイトにはこの件に関するプレスリリースは載っていない。果たしてスルーしていて大丈夫なのか。今のところ、SNSで大炎上までにはいたっていないようだが、もう一度何かやらかすと非常にまずい状況だ。料理提供前の目視が、ついついおろそかになる傾向が、グループ全体にあるのではないかと既に疑われかけているからだ。
すき家の「大炎上」「全店休業」なぜ起こった? ネズミや害虫の「混入」ではない根本原因
「すき家」は、なぜ2カ月も“ネズミ混入”を伏せたのか? 対応の遅れが招いた大炎上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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