ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
クレジットカードのポイントは、どこから生まれているのか。原資をたどると、還元率には構造的な壁がある。壁を大きく超える数字が出てきたら、誰かがどこかで差額をかぶっている。7月に発足したNTTドコモ・フィナンシャルグループの「最大4.5%」。その差額を誰が、なぜ負担するのか。たどっていくと、カードではなく銀行の事情に行き着いた。
設立会見のフォトセッション。廣井孝史社長らグループ4社の首脳が「やさしい金融を、みんなの手に。」を掲げた。ボードには「ドコモの銀行」「ドコモのNISA」など6つのサービスブランドが並ぶ(ドコモFG提供)ポイントの主な原資は、店が払う手数料である。カードで買い物をするたび、加盟店は決済額の一部を手数料としてカード会社側に払う。
公正取引委員会の実態調査(2022年4月)では、この加盟店手数料は単純平均で2.70%。ただ、ポイントを出すカード発行会社の取り分はもっと少ない。発行会社と加盟店側の契約会社が別の取引だと、発行会社に入るのは取扱高の1.56%にとどまる(同調査)。
カードの還元率は1%が実質的な上限だ、とよく言われる。この平均値を当てはめれば、1.0%の還元は手元に入る1.56%からポイント分を捻出して、ようやく成り立つ計算になる。
国際ブランドが公開する料率を見ると、事情はもっと厳しい。Mastercardの料率表では、コンビニやスーパーなどの日常利用にあたる区分で、スタンダードカードの標準料率は0.85%(2026年5月更新)。この区分に限れば、1.0%の還元は手数料収入を上回る計算だ。
だから、1%を大きく超える還元を続けるには、決済手数料の外から原資を持ってくるのが普通だ。出どころはだいたい決まっている。期間限定のキャンペーン費か、ゴールドカード以上の年会費か、リボ・分割の手数料か。いずれも、カード事業全体で収益化するための仕組みである。これが「1%の壁」の正体である。
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