SNSで拡散された、ネズミがまるごと1匹入ったみそ汁の写真は衝撃的だった。こんな大きな異物を店員が見落とすとは、考えられないことだった。顧客は、さぞかし仰天したことだろう。喫食前のみそ汁にネズミが混入していることを顧客が指摘し、店員も目視で確認している。
もう一件、ゴキブリの混入も偶然なのか朝の時間帯に発生している。深夜から朝にかけては顧客が少なく、飲食業界のスタッフ不足もあって、経験の浅いアルバイト店員に任せきりになることも多いかもしれない。たまたま店が混んでくると、早く提供しなければと慌てふためいた結果、異物を見逃した可能性もある。
ネズミ混入事件でゼンショーHDは、店内の監視カメラを確認。みそ汁の具材を椀に入れて複数個準備して冷蔵庫に保管する段階で、そのうちの1個にネズミが入ったと認定した。混入が発生した鳥取南吉方店は大型冷蔵庫の扉が店の外に直接面しており、劣化したゴム製パッキンのひび割れた隙間からネズミが侵入し、椀に入った後に、寒さのため凍死したのが原因だったという。みそ汁をつくる大鍋に入って、具材と一緒に煮込まれたのではないそうだ。
当該店舗は、事件発覚後に営業をいったん中止し、所管の保健所に報告。衛生検査と、専門の害獣駆除会社による駆除施工を実施した。その後、異物混入につながる可能性がある冷蔵庫のパッキン交換や建物のクラックなどへの対策を講じた。
あらためて従業員に対する厳格な衛生管理の教育も行った。発生の2日後には保健所の担当者に現地を確認してもらい、営業を再開していた。冷蔵庫が店の外に面している他の72店舗でも、パッキンの交換と懸念箇所の修繕を行った。
すき家の「大炎上」「全店休業」なぜ起こった? ネズミや害虫の「混入」ではない根本原因
「すき家」は、なぜ2カ月も“ネズミ混入”を伏せたのか? 対応の遅れが招いた大炎上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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