2027年に登場するといわれる「SKYACTIV-Z」は、この第三世代の「SKYACTIV-D」と「SKYACTIV-X」の技術を融合したようなものになるという情報もある。
今後、トランプ政権の間は自動車関税に苦しめられることになるのかもしれない。しかし、商品力が高ければ、関税によって値上げしても米国ユーザーはマツダ車を選んでくれるのではないだろうか。そう思えるほど、CX-60は魅力的なクルマに仕上がっていた。
電動化も脱炭素も重要だろうが、その前にクルマとしての魅力を忘れてはいないだろうか。エンジンの振動やサウンド、アクセルを踏んでジワッと立ち上がるトルク、変速機のきめ細やかな制御によって、クルマが仕事をしていることが伝わってくる。
こうしたクルマならではの味わいは、そろそろ得られにくくなっていくだろう。EVのモーターは静粛性が高くスムーズだが、どこか無味無臭のようで、味わいに欠けているようにも感じられる。
またエンジンに注目が集まる。そんな機運を、マツダをはじめとする日本の自動車メーカーの姿勢から感じ取ることができる。それは生き残りをかけた戦いなのかもしれないが、筆者はこれからの動向が楽しみだ。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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