15年来の親交のある、バングラデシュ暫定政権のトップ、ムハマド・ユヌス首席顧問が来日した。ワタミグループは、バングラデシュ政府から、職業訓練校「ジャパントレーニングセンター」の運営を依頼され、その調印式を行った。
ユヌスさんは「年間10万人、日本へ働く若者を送り込みたい」と国家プロジェクトで雇用創出を掲げている。少子化の日本と対照的に、バングラデッシュは平均年齢が27歳と労働力にあふれている。ワタミは夢応援型の海外人材ビジネスを展開しており、それが評価された。例えば今、日本で働いている特定技能実習生は、将来、自分の国に戻り飲食店を経営したいといっている。仕入れや原価、店舗運営のノウハウなどを、すべてを教え、帰国後の夢実現を応援している。人手不足の解決と、夢の応援、両者にとって「ウィンウィン」のモデルだ。
先日のサブウェイと、スキマバイトサービスを手掛ける「タイミー」の提携に続いて、人手不足解消プロジェクトの第2弾となる。ユヌスさんとの出会いは教育だった。日本の質の高い教育をバングラデシュでも広めてほしいと依頼を受け、私が理事長を務め、夢教育を実践している、郁文館高校の姉妹校を現地に開校した。日本から教師も派遣した。進学率をはじめ、今ではバングラデシュの「モデル校」となっている。貧困層に融資を行うグラミン銀行のビジネスモデルで、ノーベル平和賞を受賞したユヌスさんは、「よりよいモデル」を作ることで世界を変えている。目先の利権や既得権に屈することもない。
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