コメ価格は「輸入」が即効薬  ワタミ人手不足解消プロジェクト(2/2 ページ)

» 2025年06月10日 09時56分 公開
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 一方で、「モデルに限界」を感じるのが日本のコメ政策だ。ニッポン放送の番組で、元農水官僚で、「農協の陰謀」という本も出されている、山下一仁氏と意見交換した。小泉進次郎農水相が、随意契約で備蓄米を放出したが、山下さんは「今の方法では下がらない。農協が提示している高い米価を下げない限り、5キロ4200円はずっと続く。備蓄米を放出して供給量を増やす狙いだが、その分、(農協が)蛇口を閉めればトータルは変わらない」と指摘する。

 山下さんは、即効薬は輸入の拡大だという。「輸入を増やせば全体の供給量が増えて米価が下がる。1年に限り、関税もゼロにすべき」と提言する。減反政策をはじめ、いままでの農業政策も批判する。「減反で供給量を減らし、3500億円の財政負担で農家に補助金を与えた。供給量を減らして、消費者に高い価格を払わせてきた」。最大の政策の問題点は、「零細な兼業農家を維持したいということだ」と指摘する。

 農協は、JAバンクの収益源となる兼業農家を手厚く保護してきた。農協票は自民党の票田にもなってきた。しかし、日本の農業人口の中央値は75歳ともう限界に来ている。大胆なモデルチェンジが必要だ。担い手不足解消のため、民間企業に農地を取得させ、農業参入を促進させるべきだ。目先の農協票を意識する政治家には、ぜひユヌスさんのような真の指導者を見習ってほしいものだ。(ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)

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