AIエージェントは「調達業務」に黄金時代をもたらす──どういうことか？（3/3 ページ）

[Keith McFarlane，ITmedia]

AIエージェントは調達にもたらす変化

　調達業務は、もともと複雑かつデータ駆動型であり、人為的なミスが起こりやすい。そのため、AIエージェントを活用するには理想的な領域だ。どんな調達組織であっても、CFOやCEOが求めるスピード・簡便さ・効果をもって、社内の関係者に対応するための人員確保は難しい。前述の通り業務の複雑性が高く、対応に割ける時間も限られているためである。

　そこでAIエージェントは、サプライヤの発掘、ベンチマーク、提案分析、交渉など、調達プロセスの多くの側面を変革する可能性を持っている。

　特に交渉は、価格やトレンド、業務範囲に納期、人材、手法といった複数の要素を同時に調整する必要があるため、非常に難易度が高い。交渉が得意な人もいれば、避けたいと感じる人もいる。AIエージェントなら、提案を総合的に評価し、最適な交渉戦略を提示し、関連データに基づいて具体的なアクションを提案できる。

　AIエージェントが従来の技術革新と一線を画すのは、あらかじめ定義されたルールに従い、複数回にわたる交渉を自律的に遂行できる点である。これにより、柔軟性やコントロールを損なうことなく、最適な成果を確保することが可能となるだろう。

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