AIエージェントが「調達業務」に大きな変化を与えるかもしれない。パロアルト(米国・カリフォルニア州)に本社を置く、AI対応の調達自動化ソフトウェアのプロバイダーであるGlobalityの最高技術責任者(CTO)、キース・マクファーレン氏は「調達の分野は、これから黄金時代を迎えるだろう」と予測している。どういうことか。以下、マクファーレン氏の寄稿文を紹介する。
自律型AIエージェントの台頭により、調達の分野はこれから黄金時代を迎えると筆者は考えている。英HFS Researchの調査によれば、AI主導のソーシングはすでに20%のコスト削減を実現した。企業にとって最小のリスクで最大のリターンをもたらすAI活用事例の一つといえるだろう。
自律型AIエージェントは、サプライヤの選定をサポートするだけでなく、能動的なリスク管理や製品カテゴリ・市場ごとに購買を最適化できる点で、従来のAIよりも飛躍的に進化している。昨今のような経済が不安定な時期において、経営者は「短期的な収益性」と「持続可能な企業価値」の両立に迫られており、非常に重要な役目を果たすだろう。
「エージェントの時代」(Age of Agents)という概念が近年注目を集めているが、その起源は数十年前にさかのぼる。1950年代半ばのAI研究初期には意思決定機能を備えたロボット技術が登場し、ロボティクス・自動化という意味で「エージェント」の基礎が築かれた。
その後はコンピューティングの進化により、火星探査機「パーサヴィアランス」や囲碁AI「AlphaGo」のようなシステムが実現している。現在では、大規模言語モデルを活用した生成型エージェントも登場し、学習だけでなく、複雑なビジネスタスクの実行までも非常に高い効率でこなしている。
では、AIエージェントは他の自動化技術と何が違うのか。
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