そのため、今後のサイゼリヤの成長戦略には、2つの柱があると考えられます。
1つ目は、アジア諸国、特に中国市場における持続的な成長です。足元の中国経済では、消費者物価指数(CPI)の動きなどを見ても、価格転嫁が進まず、デフレ傾向が強まっていることが分かります。スターバックスをはじめとする企業が一部商品の値下げを実施するなど、現地では価格競争が激しくなっています。
しかし、このような環境は、効率的な運営体制を強みに持つ企業にとって、競争力を発揮しやすい局面とも考えられます。
サイゼリヤは長年にわたり、低価格を維持しながらも、科学的なオペレーションによって高い生産性を実現してきました。こうした経営手法は、価格が下がりやすいデフレ環境と非常に相性が良く、中国市場でも十分に力を発揮できる可能性があります。
もちろん、こうした環境下で仮にサイゼリヤが真価を発揮したとしても、利益率がさらに上がるとは限りません。ただし、価格競争が前提となる市場において、低コスト体質を保ちながら一定の利益を確保できる体制を構築できれば、安定した成長が期待できるでしょう。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
なぜ「金の卵」を守れなかったのか 東芝と日立、明暗を分けた企業統治のあり方
ニトリはなぜ「就職ランキング」で1位なのか 見落としてはいけない“会社の数字”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング