山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
テイケイ(東京都新宿区)が万博の警備で使用する「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」がSNSで話題となっている。片目に装着するタイプで、画面は透明。見た目は『ドラゴンボール』で敵の戦闘力を測る「スカウター」のようだ。
HMDには動画や文字情報を映すことが可能で、ウェアラブルカメラと連動して使うという。同社はなぜHMDを開発し、装着によってどのような警備が可能となるのか。広報部の大部公彦氏、施設警備事業部の林宇宙氏に取材した。
テイケイは今回の万博で、日本館の警備にHMDを導入した。配置に付いている警備員全員が装着している。見た目はスカウターのように、片目の前に画面が突き出た構造である。画面は透明であるため、視界をさえぎることはない。HMDの画面ではさまざまな情報を表示できるという。
「HMDには指令センターからの情報を表示します。例えば、防犯カメラの映像や、警備ロボットが見ている映像をリアルタイムで画面に表示しています。VIPの顔写真も映せるので『この後、VIPの○○さんが入ってきます』という指令も出せるだけでなく、文字情報も表示可能です」(大部氏)
センターと警備員のやりとりは無線機を使い、音声で伝えるのが一般的だったが、映像によって正確性が高まる。ある場所に駆け付けるよう警備員に指示する際、最短ルートを正確に伝えらえるといったメリットがあるようだ。ちなみに、ゲームやアニメのように目の前の人を数値化する機能はない。
筆者も実際に装着してみた。カメラで撮影した映像をリアルタイムに表示し、カラー映像なこともあって状況を把握するには十分。装置自体はスマホ程度の重さと感じた。サングラスのような黒いブラインドを伸ばして、明るい場所でも映像が見やすいようにもできた。
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