“赤字メニュー”も辞さず それでも収益を生むフランス料理の設計術『レストランビジネス』(1/4 ページ)

» 2025年07月04日 09時00分 公開
[東龍ITmedia]

この記事は『レストランビジネス』(東龍/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


 一般的にレストランの食材費は売り上げの30%と言われていますが、メニューよって原価率は異なります。レストランではすべてのメニューを平均して目標とする食材費比率になるように、メリハリをつけています。

 例えば、黒毛和牛やトリュフ、オマールブルーやキャビアなど、高級食材を使用している場合、無理に原価率を30%に落とし込もうとすると、価格が高くなってしまい、注文されにくくなってしまいます。そのため、高級食材を使用するメニューは原価率を高くする代わりに、サラダやパスタ、卵料理などで原価率を抑えて、全体で30%に収まるように工夫しています。

(出典:ゲッティイメージズ)

 コースでは、どのメニューも同じ原価率にすると、高い食材を組み込めなくなってしまいます。コース全体で考えて、アミューズや前菜類、デザートや小菓子などで原価を抑えて、メインディッシュにコストをかけられるようにしています。

 同じワインでも、ボトルは30〜50%と原価率を高くして良心的な価格にし、グラスは6〜8杯取り(125〜約90ミリリットル)にして、20〜30%と原価率を低く設定します。グラスワインは利益率が高いものの、少量に分けて値段を安くしているので、オーダー数が増えます。ボトルワインは単価が高いので、利益率を下げても収益を確保できます。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR