“赤字メニュー”も辞さず それでも収益を生むフランス料理の設計術『レストランビジネス』(4/4 ページ)

» 2025年07月04日 09時00分 公開
[東龍ITmedia]
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(3)優雅な空間

 エレガントな階段や期待感を高める長いアプローチから始まったり、ウェイティングスペースでひと息ついてからダイニングへ案内されたり、ダイニングから中庭が鑑賞できたり、豪華なインテリアが設えてあったり、シャンデリアが吊り下げられていたり、暖炉が備えられていたりと、非日常的で優雅な空間が創られています。個室が設けられていて、記念日や特別な集まりにも利用しやすく、後のちまで残る思い出となります。

 34席の「ロオジエ」、45席の「マダム・トキ」、48席の「銀座レカン」は席数が少ない分、ダイニングは広々としていてテーブル間隔に余裕があり、寛いで食事ができます。

(出典:ゲッティイメージズ)

(4)迫力ある演出

 通路幅が広く、テーブルも大きいので、躍動感あふれるゲリドンサービスが行われたり、何種類ものパン、珠玉のデザートや見たこともないようなフロマージュ、最後のミニャルディーズ(小菓子)が、ワゴンやプラッター、ボックスで運ばれて来たりと、あっと声が上がるような迫力ある演出が行われています。「トゥールダルジャン 東京」でナンバリングされた鴨のカードが贈られるのも、この時かぎりの食事を記憶するよい記念となります。

著者プロフィール:東龍

 グルメジャーナリスト。1976年台湾生まれ、日本国籍。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。テレビで活躍したあと、ジャーナリストに転向して取材に注力。『All About』のブッフェ・フレンチのガイドに就任し、『Yahoo!ニュース』『Safari Online』『食べログマガジン』『現代ビジネス』『東洋経済オンライン』『プレジデントオンライン』や共同通信社など、数多くの媒体で執筆する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。真摯で丁寧な筆致が好評を博し、オンライン記事は延べ1億ページビューを超える。料理コンクールの審査員やエグゼクティブへの講演、ホテルや大手外食企業のプロデュース、コンサルティングの実績も多数。レストランとゲストの立場を客観的に理解する者として、両者の架け橋となるべく、活動を続ける。


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