訪日外国人客(インバウンド)でにぎわう国内各地。古都・奈良では、野生のシカを間近で見られる奈良公園(奈良市)が人気を集め、訪日客であふれかえる。だが、少し離れると人通りは一挙に減り、夕方には公園は寂しくなる。訪日客のほとんどが大阪や京都に宿泊し、日帰りで公園周辺を集中的に訪れるためだ。奈良県の訪日客1人あたりの消費額は全国最低。県は観光戦略本部を設置し、観光の現状を「安い」「浅い」「狭い」として打開策を模索する。
訪日客でごった返す日中の奈良公園周辺。家族で訪れた韓国・ソウル市の男性(39)は「奈良はシカのほかはほとんどイメージがない」と打ち明けた。宿泊先は大阪という。
ソウル市の男性会社員(27)も大阪に泊まっており、奈良のイメージは「シカと公園」と話した。
米国から来た60代の女性は奈良の印象を「シカ、公園、神社」とし、宿泊先は京都だった。ほかの国の訪日客たちも奈良の印象として「シカ」を挙げた。
訪日客は盛んに鹿せんべいを買い求め、歓声を上げながらシカに与えていた。道は混雑するが、夕方には人出が減り、夜になると、静まり返る。
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