例えば、ユダヤ系のベンチャーキャピタルと日本のベンチャーキャピタルを比較すると、成功する率自体は、10社に投資して成功するのは3社程度と、実はそれほど変わりません。しかし、「失敗から徹底的に学ぶ」姿勢に大きな違いがあります。日本の場合、成功した3割だけに注力します。成功したのだから当然とも言えます。
一方、ユダヤ系ベンチャーキャピタルの場合、失敗した起業家に対して、何が本質的な失敗要因だったのかを深掘りし、課題発見の訓練と知見の共有を行います。つまり、多額の投資のうえ失敗しても、その失敗から学ぶことで、自分たちも投資先である企業も、次の挑戦における精度を高めていくわけです。これこそが、チャレンジする企業を育て、世界に通用する企業が増える理由なのです。
日本の会社では、失敗は個人の責任にされがちです。「あいつだから失敗した」「社長が飲み歩いて遊んでいたらしい」などと、責任をなすりつけてしまうのです。しかし、飲み歩いていても、不真面目な性格と言われていても成功する人はいます。それは本質的課題でも何でもなく、単なる悪口や感情論に過ぎません。
重要なのは、失敗体験から何をどう学ぶかです。日本では失敗をネガティブなものと考える傾向があり、失敗には目をつぶり、忘れてしまってもいいと考える人もいます。しかし、本当の成功者は、失敗を価値ある学びと考えます。自分が今取り組んでいる課題が本当に解くべき問題なのか、常に自問し続ける姿勢が求められるのです。
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