豊富な品ぞろえと低価格を武器に徐々に浸透。出店を進める一方、店舗運営効率化の“頭脳”となるソフト開発への投資も続け、購買履歴の管理システムなどを自社で開発した。他社に先駆け、レジの待ち時間を短縮する決済機能付き買い物カートを大量投入。出来たての総菜を知らせて客の購買を促すデジタルサイネージ(電子看板)を導入するなど、デジタル技術を駆使した取り組みは業界の注目を集める。
こうした店舗でのデジタル技術の活用に大きく寄与しているのが、福岡市郊外の宮若市にメーカーの担当者を集めて定期的に開催する研修会だ。
花王やサントリーなど49社の担当者が流通の無駄や無理を解消しようと泊まり込みで議論を交わし、トライアルの店舗でアイデアを実践する。
永田社長は「日本一の小売業になりたいというのではなく、流通の『ムダ・ムラ・ムリ』を解決したいというビジョンが先にある」と強調する。
「少子高齢化や人手不足の時代、テクノロジー化をしないと地方の人を支えることはできない。生活を支えることが流通業の使命であり、存在意義だ」。トライアルHDの挑戦は続く。(一居真由子)
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
なぜ福岡の郊外に有名企業が集まるのか? 九州発のスーパー「トライアル」が仕掛ける「横のDX」copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング