モンハン新作に飛ぶ罵声 ゲーム業界が苦悩する“カスハラ”の現実(1/3 ページ)

» 2025年07月22日 07時47分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 ゲーム業界が、消費者から理不尽な要求や誹謗(ひぼう)中傷を受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に頭を悩ませている。以前からゲームへの不満に対してユーザー側の暴力的な言動に発展することは珍しくなかったが、近年はクリエイターを名指しで中傷する投稿が交流サイト(SNS)などで目立つ。各社は「カスハラ対応方針」を発表し、悪質な場合は法的措置も検討すると警告するが、歯止めがかかっていない状況だ。

photo モンスターハンターワイルズのキーアート©カプコン

直近2万件レビュー「圧倒的不評」

 「死ね」「土下座しろ」「無能」「クズ」−。カプコンが2月に発売した人気シリーズの最新作「モンスターハンターワイルズ」を巡り、SNS上に投稿された特定のクリエイターへの誹謗中傷の一部だ。

 同作ではプレー中にパソコン(PC)やゲーム機が強制終了するなどの不具合が報告されており、ゲーム内容自体への不満と合わせて“炎上”する事態となっている。世界最大のPCゲーム配信サービス「Steam(スチーム)」でのユーザーからの直近2万件のレビュー(批評)は最低評価の「圧倒的に不評」となっており、ユーザーの間で不満が渦巻いていることがうかがえる。

 こうした中、カプコンは7月4日に自社サイトに重要なお知らせとして「カスタマーハラスメントへの当社対応について」と題したメッセージを掲載。「特定の個人を想起させる形での誹謗、中傷、人格否定、脅迫、加害予告、業務妨害予告、ハラスメントなどの行為が一部で確認されている」として、悪質なケースでは法的措置や刑事手続きを含む対処を行うと表明した。

 カプコンは「特定のタイトルを指すものではない」としているが、SNSではモンスターハンターワイルズの事案と関連付けた反応が相次いでいる。

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