こうした要請に対し、同社が即座に動けるのにはワケがある。それは同社が誇る「研究所」の存在だ。
主力工場の一つ、坂越工場(赤穂市坂越)の敷地内にある研究所には、研究者ら100人以上のスタッフがいる。そのうちの1人で生物飼育のマイスター、有吉立(りつ)さんが説明してくれた。
「ここでは100種類以上の虫を飼育しています。ハエやカはそれぞれ約5万匹ずつ、ゴキブリなら約100万匹いるんです」
飼育・研究に携わって30年近くになる有吉さん。無数にいるカを雌雄に分けることなど瞬時のワザ。血を吸うのは雌だけのため、研究上必要な作業だという。また、放し飼いの形でゴキブリを育てている部屋には、エサや水のメンテナンスのため週1ペースで入っているそうだ。
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