半分に削れば“2倍”伝わる――「メタボな話し方」をやめるコツ「キレイごとナシ」のマネジメント論(6/6 ページ)

» 2025年07月28日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]
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話し方を180度変える勇気

 「話し方」にこだわっている限り「自分視点」から抜け出すことができない。政治家やアナウンサーになるのならともかく、話す相手のことを無視してトレーニングに励むのはよそう。

 だから、話し方を180度変える。そしてそのためには、“勇気”が必要だ。

 フォーマルな服装のほうがいい人もいれば、くだけたカジュアルな装いのほうが心を開く人もいる。同じように、話し方も「相性」というものがある。そのことをしっかり頭に入れよう。

 例えば、長年プレゼンの研修を受けてきた人が、念入りに準備したスライドを使った。理論武装し、完璧な構成で話したとしよう。研修の講師や、一緒に学んだ仲間からは絶賛されるかもしれない。

 しかし、それらの知識をフル装備でプレゼンに望むと、いかにも「学んだことを披露したい」という雰囲気が前面に出てしまう。聞き手である顧客からすると「本当に自分たちのことを考えて話しているのだろうか」と疑問を抱かれる場合もある。

 だから、思い切ってスライドを減らす。シンプルな言葉だけに絞る。そうすることで、いつになく好反応だった、という話はよくあることだ。

ダ・ヴィンチの格言から学ぶ

 「メタボな話し方」に悩んでいた営業部長は、この3つのポイントを実践することで劇的に変わった。会議での進捗報告は2分で終わるようになり、部下たちも集中して聞くようになった。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは「簡潔さこそが究極の洗練である」と言った。話し手は本気になればなるほど力が入る。しかし余分な説明や言い回しを削ぎ落としたシンプルな形こそ、本質の部分がクリアに浮かび上がる。

 情報過多の時代において「情報を減らすコツ」が重要視されつつある。たくさんの言葉を並べれば伝わるわけではない。むしろ、余計な言葉を削ぎ落とすことで、本質的なメッセージが際立つ。シンプルに話すとは、相手への最大の思いやりなのだ。

わかりやすさよりも大切な話し方: 自分視点から相手視点に切り替える話し方改革

 「論理的に話しているのに伝わらない……」そんな悩みを抱える人に向けた、“相手を動かす話し方”の指南書。鍵は、小手先のテクニックではなく「自分視点」から「相手視点」への切り替え。相手の“燃え方”で7タイプに分類し、それぞれに響く言葉や伝え方を解説。200社以上を支援してきたコンサルタントによる、人間関係にも効く“話し方の集大成”です。


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