では、なぜ担当者は「これはいける!」と感じたのだろうか。
時計の針を2年前に戻そう。商品名もパッケージデザインも決まっていなかった2023年のこと。開発チームはおよそ1年をかけて、全国各地で勉強会を実施した。対象は、セブンのエリアマネージャー、加盟店のオーナー、店舗の店長たちである。
勉強会では「クラフトビールとは何か」「なぜこの商品を販売するのか」といった基本的なことから、商品の特徴まで説明していった。「商品を並べてください」とお願いするだけではなく、「一緒に売り場をつくっていきましょう」と呼びかけて、まずは理解を深めるところから始めた。
繰り返しになるが、コンビニの棚に並ぶかどうかは、最終的には各店舗が決める。勘のいい読者はすでにお気付きかと思うが、開発メンバーによる”根回し”の積み重ねが大きかったようだ。
話は少し変わるが、有頂天エイリアンズを販売してみて、分かってきたことがある。セブンの販売データによると、一般的なビールに比べて、20〜30代の若年層の購入比率が約2.3倍、女性の購入比率も約1.3倍とやや高めだ。
また、「ビールといえばおつまみ」といったイメージが強いかもしれないが、新ビールの場合は少し違う。購入時に一緒に購入する商品は、プレミアムアイスや洋菓子、和菓子が目立つ。つまり、「ビールといえばスイーツ」といった組み合わせを楽しむ人が多いのだ。
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