何度言っても言うことを聞かない部下が、突然主体的に動くようになった「テクニック」とは「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/5 ページ)

» 2025年08月04日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

「不燃人」はどうする……

 最後に不燃人。全体の約2割で、火が付きにくいタイプだ。

 「ドライ不燃人」は理屈で納得すれば動く。データと根拠さえ示せば協力的になる。「そろそろ動いてくれないと、私は困るのだ」といった感情論は一切通じない。ロボットのように合理的だが、筋が通っていれば最も信頼できる存在になる。

 「アンチ不燃人」は何をしても動かない。組織やリーダーへの不信感が根底にある。過去の失望体験が原因であることが多い。だから、「アンチ不燃人」を先に動かそうとすると、上司は心が折れるだろう。

 メンバーを「その気」にさせていく順番はこうだ。

 最初に声をかけるのはアピール自燃人。「君にしか頼めない」と特別感を演出する。彼らは認められたい気持ちが強いから、すぐに火が付く。

 次にエリート自燃人。全体像を説明し、論理的に納得してもらう。彼らは頭がいいので、意図をくみ取って動いてくれる。

 3番目は間違えてはいけない。ドライ不燃人だ。データと根拠を示せば納得する。感情論は通じないが、筋が通っていれば協力的だ。ただ、ドライ不燃人は、かなり理屈っぽいので、エリート自燃人の力を借りるといいだろう。

 ここまで根回しが終わったら、全体告知する。ピュア自燃人はこの段階で勝手に盛り上がる。「いいですね!」「やりましょう!」と飛び付いてくる。

 とはいえ、その他のメンバーはそう簡単には動かない。ただアーリー可燃人は、既にメンバーの数人が前向きになっていることを察し、しばらく個別アプローチを続ければ腰を上げるだろう。

 最後にレイト可燃人だ。アーリー可燃人がその気になれば、もう過半数が動いていることになる。レイト可燃人は、そのような状況を見てようやく動き始めるだろう。

 この順番で進めれば、組織の9割は動く。アンチ不燃人だけはなかなか動かないが、完璧を目指してはいけない。

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