温浴施設や商業施設などで見かける業務用のマッサージチェア。中でもここ数年、販売数を伸ばしているのが日本メディック(神奈川県藤沢市)の「あんま王」シリーズだ。
同社は健康機器の企画・開発を手掛けていて、前身のトレヴィ社は2011年に民事再生法適用を受けた過去がある。2012年に業務用に特化したマッサージチェア「あんま王」を発売したところ、売り上げは10年で約10倍に成長。シリーズ累計販売台数は2024年末に2万台を突破した。
2025年秋には新モデル「あんま王5」の発売を予定しているが、なぜここまで業績を回復・成長させられたのか。ヒットの要因を城田充晴社長に聞いた。
アイオイメディックホールディングスの中核企業だったトレヴィ(現・日本メディック)はかつて、マッサージチェアの販売代理店をしていた。メーカーから仕入れた家庭用のマッサージチェアにコインボックスを取り付け、利用者が100〜200円で使えるようにした上で施設に設置するビジネスだ。
施設でマッサージチェアが稼働した売り上げの一部が同社に入ってくるわけだが、その売り上げだけでは高額なマッサージチェアの仕入れもままならない。当時は分割払いで購入するケースが多く、同社も24回払いで購入し、月々の収益から代金を支払っていた。
ところがある日、メーカーの上場に伴いマッサージチェアの代金が「一括払い」に変更。資金繰りが急速に悪化し、2011年に民事再生法の適用を受けた。
「残っていた当時の事業と従業員は全て別会社に移し会社整理を担当する4人だけが残った。事業もない、人もいない状態の中で何ができるかを考えた結果、たどり着いたのが『これまでの経験を生かして、マッサージチェアや事業の課題を解決する商品を開発すること』だった」
業務用に特化したマッサージチェアを開発し、分割払い販売にも対応。マッサージチェアについては、これまでの知見から業務用ならではの機能やデザインを採用した。
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