「なかなか売れない……」中古車販売店、13年ぶり多さの倒産ラッシュのワケとは(2/4 ページ)

» 2025年08月29日 20時26分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 東商リサーチの調べでは、24年度の全国での中古車販売店の倒産件数は、23年度の71件から約38%増えた。近畿2府4県の24年度は15件で、23年度の16件からは1件減ったものの、22年度の7件から倍増となった。大阪府の24年度は7件で、近畿全体と同じ同じ傾向だった。

 東商リサーチ関西支社情報部の新田善彦氏は「24年度の倒産の大半が負債総額1億円未満。小規模な事業者が圧倒的に多い」と指摘する。背景の一つが仕入れ価格の高騰で、経営体力のない中小は大手と違い、消費者へ十分に安い価格で販売できなかったり、価格を下げても利益を確保できなかったりしているとみられる。

 中古車販売店はオークションで車を仕入れることが多い。中古車競売大手ユー・エス・エスによると、同社の手掛けるオークションでの今年2月の平均落札価格は126万円と過去最高になり、24年度全体も前年度比1割以上高い120万6千円となった。

 落札価格をつり上げているのは、新型コロナウイルス禍や半導体不足で新車の生産が減ったことをきっかけとした中古車需要の高まりだ。円安で相対的に安くなった性能のいい日本の中古車を買おうと、海外業者の参入が増えていることも背景にあるとみられる。

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