現在はSNSでの告知に加え、店舗でのチラシ配布やレジでの声かけを行うなど、対面での入会促進に力を入れている。しかし、こうした人海戦術は、店舗スタッフの理解度や積極性に大きく左右される。
8月22日の募集開始から1週間で目標の4分の1の会員を獲得するなど滑り出しは好調だが、店舗間では会員獲得数に差が出ている。
また、アプリ移行に伴う課題もある。60代以上の顧客にとってはアプリ操作が負担となる場合があり、店舗スタッフによる丁寧なサポートが欠かせない状況だ。
アプリ導入により運営面での利便性が向上し、顧客データの管理も効率化された一方、会員獲得や顧客サポートの成果は現場スタッフの対応力に大きく左右される。五十嵐氏も「従業員教育の重要性を改めて感じている」と語る。
今後の展開について五十嵐氏は、「増やした5店舗を運用して傾向を見極めたい。うまくいけば来年は他エリアでの展開も視野に入れている」と説明する。ただし「現状では白紙に近い」とも付け加え、慎重な姿勢を示した。
ポイント還元や価格訴求に重点を置く企業が多い中で、成城石井のメンバーシップは高額な入会費に見合う希少商品の先行販売や限定イベントなど、顧客に特別な体験を提供することで他社と差別化している。
2027年に創業100周年を迎える成城石井。会員データを活用した顧客戦略が、同社の次なる成長にどうつながるかが注目される。
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