不二家だけでなく、街の洋菓子店は減少し続けている。NTTタウンページによると、タウンページデータベースへの洋菓子店の登録件数は、2013年の1万4206店舗から2022年には1万658店舗に減少した。スイーツ市場自体はコロナ禍からの回復と物価高で近年は数字上の見た目こそ上昇しているが、個人経営店や不二家の閉店が相次いでいるように、多くの路面店が苦戦を強いられている。
また、洋菓子店はもはや消費者にとってスイーツを買う主な場所ではなくなった。矢野経済研究所によると、2023年度におけるスイーツ市場のうち、専門店が占めるのは約6%に過ぎず、スーパーなどの量販店が約36%、コンビニが約19%を占める。
特にコンビニ業界ではローソンが2009年に「プレミアムロールケーキ」をヒットさせて以降、洋菓子を強化するようになり「コンビニスイーツ」というジャンルが生まれた。量販店やコンビニの台頭を前に、街の洋菓子店は淘汰されたと考えられる。都内にあるケーキ店主は次のように語る。
「消費者は専門店から、手軽に買えるスーパーやコンビニに流れていると思います。1個800円以上するケーキなど、高価格の商品や祝い用の商品で差別化した店舗は生き残っていますが、量販店と同じ品質のケーキ店は苦戦しています」
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