協同乳業(東京都板橋区)の当たり付きアイス「ホームランバー」が、発売から65年を迎えた。2025年8月には、長年親しまれてきた銀紙パッケージの生産を終了。9月22日には、箱で提供するマルチパックの新商品「ホームランバー バニラ&チョコ」「ホームランバー ミルク&キャラメル」(各8本入り、希望小売価格486円)を発売した。
猛暑の影響もあって、近年の売り上げは順調に伸びているが、なぜこのタイミングで銀紙パッケージの生産を終了したのか。65年の間に変えたこと、変えなかったことは何か。担当の坂本崇さんに聞いた。
ホームランバーが誕生したのは1960年。当時の日本は高度成長期に入り、暮らしが豊かになり始めていた。アイスは「ぜいたく品」から「身近なおやつ」に変わりつつあったが、普及していたのは氷菓の「アイスキャンディ」。本格的な「アイスクリーム」は、特別な場所でしか食べられない高級品だった。
協同乳業は1955年、デンマークから導入した機械を使って、日本で初めて棒付きの「アイスクリームバー」を発売した。数年後には、スティックに焼印を入れるアイデアが生まれ、当時ブームだった野球と組み合わせて「当たりくじ付きアイス」として登場したのが、ホームランバーである。
「他社商品には、アイスのスティックに広告を入れたものがあったようで、当時の担当者はそこに着目した。『当たり付きの要素を入れたら面白いのではないか』というアイデアがあって、それを採用した」(坂本さん)
当たりの仕組みはシンプルだ。スティックに「満点ホームラン」とあれば、野球盤などの景品をプレゼント。「ホームラン」なら、その場でもう1本。「ヒット(1塁打、2塁打、3塁打)」は4つ集めると、もう1本もらえる仕組みだった。さらに時代を反映した景品も用意し、空とぶ円盤UFOやスピードガンなどが人気を集めた。
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