韓国で順調に成長したマンモスコーヒーは、世界有数のコーヒー消費国であり、人口や市場の大きさに加え、韓国から物理的に近い利点を持つ日本市場に注目。市場調査を進める中で、事業拡大の可能性が見えてきたという。
「日本では、専門性のあるコーヒーを手頃な価格で、しかもテークアウトに特化して提供しているブランドはまだ多くないと感じました。韓国に比べてカフェの密度がそれほど高くない点も大きな魅力でした」
そうして、2025年1月、東京メトロ「虎ノ門駅」(B4出口)から徒歩1分の立地に路面店を開業。虎ノ門を選んだのは、純粋に自社のサービスや価格・品質が受け入れられるかを検証するためだ。観光客も多い渋谷や韓国ブランドが集まる新大久保などと比べて虎ノ門はノイズ(不要な情報)が少なく、サービスの本質に対するリアルな反応を得やすい立地だと考えたという。
メニューは韓国と同様ながらも、本国の約100種類から絞り込み、日本では約30種類を展開。韓国ではフードメニューも提供するが、日本ではドリンクのみとしている。
特徴的なのは、サイズ感と価格だ。サイズは「S:355」「M:470」「L:650」(ホットの場合、単位は全てミリリットル)と大容量で提供。コンビニカフェのSサイズは150〜160ミリリットル、スターバックスのショートは約240ミリリットル(いずれもホット)で、他社と比較すると大容量が際立つ。
マンモスコーヒーのスタンダードメニュー「アメリカーノ」は、S:190円、M:250円、L:400円。計算すると、1ミリリットル当たりの単価はコンビニカフェの約半分、スターバックスの約3分の1だった。
コーヒー豆は主にブラジル産で高品質なものを使い、韓国同様に飲みやすく、均一な味わいを提供できるよう全自動コーヒーマシンを採用。豆を挽(ひ)く粒度や温度、抽出時間など詳細な設定が可能なため、高度な技術を持たないアルバイトスタッフでも、品質を安定して提供できるという。
約13坪の小規模な店舗には、セルフオーダー用マシンが2台設置され、顧客は店頭またはモバイルで注文できる。そのため、店頭スタッフは基本的にコーヒーを作って提供することに集中できるという。
こうした徹底した効率化により、品質を維持しつつ大容量・低価格での提供を実現している。
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