なぜ、UCCは「食べるコーヒー」を開発したのか 研究者「豆を丸ごと食べたい」(1/4 ページ)

» 2025年09月30日 07時00分 公開

 UCC上島珈琲(神戸市)の「YOINED(ヨインド)」が話題だ。「飲む」ではなく、「食べる」コーヒーという新たなスタイルで、販売のたびに完売が続いている。2024年の販売数は初年度の1.5倍に達し、今冬も第3シーズンを予定している。新しいコーヒー体験が、なぜこれほど支持されるのか。

photo UCCの食べるコーヒー「YOINED(ヨインド)」が人気(画像はUCC提供、以下同)

 YOINEDの見た目は、チョコレートのようだが、カカオ豆は一切使用していない。凍結粉砕したコーヒー豆とコーヒーオイルを植物油脂でコーティングした、これまでにない「食べるスタイル」のコーヒーだ。

 2023年11月から期間限定で販売し、2024年も同時期に展開。夏場は商品が溶けやすいため、冬から春にかけての限定販売としている。価格は6枚セットで2700円。コーヒー豆配合量40%の「CRAZY BLACK」と、15%の「MELLOW BROWN」を、それぞれ3枚ずつ詰め合わせている。

photo 6枚セット2700円で販売

 商品名は、コーヒーを飲んだ後に感じる「余韻(よいん)」に由来する。最大の特徴は、口に入れて噛(か)んだ瞬間に広がるコーヒーの香り、喉から鼻腔に抜ける香りの余韻である。

 EC推進室室長兼YOINEDプロジェクトマネージャーの小坂朋代さんは「飲むコーヒーでは味わえない豆本来の甘み・酸味・苦味をダイレクトに感じられ、香りの余韻を味わえる」と語る。

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