――新しいプロジェクトや新しいチャレンジに対して思い切って飛び込めない背景には、失敗を極端に恐れる職場文化がありそうです。部下が失敗した時にモチベーションを下げてしまう上司の対応には、どんなものがありますか?
頭ごなしに責める、責任を押し付ける、フォローをしない。これは、部下が失敗した時の3大NG行動だと思います。特に会議などで、「これは○○さんがやった仕事だから答えて」など、責任が部下にあるかのような発言をしてしまうと、部下にしてみればもう、ハシゴを外されたような感じになってしまいます。
――それだと、モチベーションアップを促すどころか、上司と部下の人間関係が崩壊してしまうかもしれませんね
「失敗した」「うまくいかなかった」と報告された時は、事情を丁寧に聴き、失敗に至ったプロセスをひも解き、次につながるフィードバックをしつつ、一緒に解決策を考えてフォローするというのが上司の役割です。ですので、そこから逃げないで向き合ってほしいと思います。
そもそも「失敗なんて絶対にしてはいけない」「失敗は良くないものだ」という前提をチームとして取っ払うことが大事だと思います。チャレンジに失敗はつきものですし、失敗したら責められるとなったら、誰も積極的に動けなくなりますよね。成果を出すより、失敗しないことにみんなエネルギーを注ぐようになるので、組織としても失速してしまうはずです。
効果的なのは、上司が自分の過去の失敗談を部下に肯定的な形で披露しておくということ。例えば「俺も昔、こういう取引でこういうミスしちゃってさ」「でもそのミスがあったおかげで、取引先に交渉に行って、自分の交渉力もついたし、結果的にその取引先とはその後大きな取引をさせてもらったんだ」「だから君たちが失敗してもフォローするからね」みたいな話ができると、「上司は失敗の乗り越え方も知っているんだな」「自分が失敗した時に一緒に乗り越えてくれそう」という風に思ってもらえます。みんなが安心してチャレンジできる土壌があれば、チーム全体のモチベーションも高まりやすいと思います。
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