――部下から進行中のプロジェクトに関して相談を受けたとします。そこで、言葉で伝えられた内容を額面通りに受け取って全て分かった気になってしまうのは、かけ違いが起こりそうでちょっと危険だと思います。しかし、上司が部下の言葉の裏にある感情にまで気付くのはなかなか難しいのではないでしょうか?
部下が抱えている気持ちや関係性などの非言語的伝達に上司が気付けないのは、過去の職場文化の影響が大きいと思います。かつては「職場に感情を持ち込むな」というのがデフォルトだったので、文化規則から言えば、そこに注意を向けないことがむしろ当然とも言えます。
そういう意味では、自分たちが若かった頃に上から感情をケアしてきてもらっていないのに、今の時代は部下をケアしなきゃいけなくなって相当大変だと思います。でも、ケアできた方が職場はうまく回りますので、部下の感情に気づくためのポイントをお伝えしたいと思います。
基本は、表情に注目していただきたいのですが、「大丈夫です」と言いながら、苦しい表情をしているとか、目は笑ってないとか、そういう言葉と表情にギャップがある時は要注意です。
――仮に部下の言葉にしていない気持ちに気付けたとしても、そのあと行動にどのように移行すればいいのでしょうか?
不安を感じている、不満に思っているなど、感情を汲み取りつつも、業務上の困りごとのサインとして対応すればいいだけだと思います。気付く時は非言語を手掛かりにするけれど、「今、悲しいでしょう。泣いていいよ」などではなく、「何かこちらでサポートできることはある?」といった通常の対応ができればOKではないでしょうか。
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