部下のやる気を奪う上司は「失敗を責める」 委縮させないために、事前にやっておくべきことは?(5/5 ページ)

» 2025年10月02日 05時00分 公開
[ツチヤサオリITmedia]
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NG行動その5「“言行不一致”な振る舞いで、部下を混乱させる」

――言っていることとやっていることが違うというのは、会社も上司もついやりがちです。これに振り回される部下の側からすると、いつしか不信感が募ってしまい、やる気もダダ下がりになってしまいます。言行不一致をやってしまいがちな上司に、改善策はあるのでしょうか?

 実は、部下のワーク・エンゲイジメントに最も影響するマネジメント・コンピテンシーは「上司の誠実さ」であり、具体的には「やると言ったことは実行する」という有言実行の姿勢が働き方にもいい影響を与えると考えられています。

 にもかかわらず、言行不一致が起きてしまう理由としては、組織の構造に起因していると考えられます。管理職も、経営層の要求と現場の状況との間で板挟みになって、結構苦しい立場ですよね。「部下の前ではこう言ってしまったが、結局は上からの指示に従わざるを得ない……」といった葛藤もあるでしょう。

 また、単に自分の言動に無頓着で、上司としての影響力をそこまで認識してないと、言動不一致が起こりやすいというパターンもあります。

 対処法としては、部下のシビアな視線を自覚することです。「○○さんは、部長と話すときはああいう感じになるのか」のように、意外と部下はあなたの普段の行動を冷静に見ています。

 そして、言行不一致の理由を丁寧に説明するのは大事なことだと思います。急に社内の方針が変わるのはよくあることです。だから、一回言ったことは変えてはいけないのではなく、どうして変わったのか、変える必要があったのかを順を追って分かりやすく説明することが大事になってくるのです。

 納得のいく説明だったらそれはそれでいいし、説明してもらっても腑に落ちない場合も部下側としてはあると思いますが、少なくとも一生懸命説明しようとしてくれた誠実な姿勢は記憶に残るはずです。その行動のあるなしで、部下はモチベーションダウンせずに済むかどうかが決まると思います。

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