総務は常に冷静なコスト管理者でなければならない。イニシャルコストはもちろん、移転後に発生する光熱費、通信費、清掃・メンテナンス費などランニングコストを正確にシミュレーションし、長期的な視点でトータルコストを最適化する視点が不可欠だ。
特に、旧オフィスの「原状回復義務」は大きなコスト要因となり得る。賃貸借契約書を隅々まで読み解き、貸主との交渉に備える。これも総務にしかできない専門的な仕事だ。
オフィス移転は、社員にとって大きな環境変化だ。特にフリーアドレスの導入など、働き方が大きく変わる場合は、期待とともに不安や抵抗感が生まれることも少なくない。
そこで総務は、プロジェクトの進ちょく状況や決定事項の背景について、社内報や説明会を通じて丁寧に、そして継続的に発信し続ける必要がある。新しいオフィスの使い方やルールを一方的に押し付けるのではなく、ワークショップなどを通じて社員を巻き込み「自分たちの新しい働き方を自分たちで創る」という意識を醸成していく。この地道なプロセスが、移転後の円滑なオフィス運用を左右するだろう。
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