AIエージェント導入に至った経営課題 「人材不足・採用難」「コスト削減」を超えた1位とは？

[サトウナナミ，ITmedia]

　さまざまな経営課題を解決するための1つの選択肢として、AI導入に関心を寄せる企業が増えている。生産性向上や人材不足の補完といった目的が注目される中で、実際に導入を進めた企業はどのような課題を起点に動き出したのか。AIソリューションなどを手掛けるPKSHA Technology（東京都文京区）が調査を実施した。

AI及びAIエージェントの導入・活用動向（写真AC）

AIエージェント導入に至った経営課題　1位は？

　AIエージェントについて、全体の導入率は12％となった。

　「何らかのAIツールを利用している」とした企業のうち57％がAIエージェントを導入していることが明らかになった。

AIツール利用企業における、AIエージェント導入率（PKSHA Technology調べ）

　導入のきっかけとなった経営課題については、「知識やノウハウ継承の課題」が最も多く49％。その他、「人材不足・採用難」（37％）、「データの有効活用」「コスト削減」（各35％）などが続き、上位となった。

AI導入のきっかけとなった経営課題（PKSHA Technology調べ）

　AIツールの導入方法について、最も多い回答は「外部パートナーと共創」となり、33％を占めた。以降は「完全内製」（21％）、「完全外注」（19％）と続いた。

AIツールを導入した際のアプローチ方法（PKSHA Technology調べ）

　AIツールの導入方法に対して「満足」と回答した割合は、共創が67％となり、完全内製の60％をやや上回った。また、「導入までのスピード 」「コスト」「セキュリティ・ガバナンス対応」の点で、共創の方が満足度が高いことが明らかに。共創モデルは内製・外注のメリットを兼ね備え、企業のAI導入の新たなスタンダードとなりつつあると考えられる。

AIツール導入方法に対する満足度（PKSHA Technology調べ）

　また、AIツールの開発意向を尋ねたところ、66％が外部パートナーとの共創を検討していることが分かった。内訳は「内製・外部委託ハイブリッド」（28％）、「内製は行うが外部委託メイン」（28％）、「内製を強化するが外部にも頼る」（10％）。

AIツールの開発意向（PKSHA Technology調べ）

　外部パートナーに求める要件については、「業務理解と現場が使いやすい提案」が最も多く41％に上った。「最新AI技術知見と適用力」（31％）、「経営目線での助言」（28％）と続いた。

外部パートナーに求める要件（PKSHA Technology調べ）

　調査は7月24日〜26日にインターネットで実施。従業員500人以上の会社に属し、AIツールを会社ドメインで使用している部長以上を対象とした。有効回答数は450サンプル。