多くの企業が「生成AIによってWebサイトへの流入が激減している」という課題に直面している。米国では2024年8月から2025年2月にかけて生成AI経由のサイトトラフィックが業界によって12〜17倍も増加した。一方、米HubSpotは、半年間で自社ブログへの流入が80%も減少するなど、深刻な変化が起こっている。
参考:流入「80%減」 AI検索で大打撃を受けたHubSpotは、どうやって“未来の顧客”を取り戻した?
一方で、この変化をチャンスとして捉え、従来のSEOと広告連動型広告だけでなく、生成AIを活用して新しい顧客の獲得に成功する企業も出てきている。
電通デジタルが開催したイベント「生成AI活用によるマーケティングの最新動向」では、最高AI責任者 山本覚氏が生成AI時代のマーケティングにおけるヒントや、GEO(Generative Engine Optimization)対策の成功事例を紹介した。
同社の事例を解説するに当たり、まず「GEM」という概念について説明しよう。
従来のSEM(Search Engine Marketing)がSEO(Search Engine Optimization)と検索連動型広告で構成されていたのに対し、生成AI時代にはGEM(Generative Engine Marketing)という新概念が登場している。GEMはGEOと生成AI広告から成り立つ、新しいマーケティング手法だ。
「GEOとは、生成AIの引用順位を上位にする手法です。SEOが検索結果の順位を上位にするのに対し、GEOは生成AIが回答を生成する際に、自社の情報を引用してもらうための最適化を行います」(山本氏)
SEOとGEOの大きな違いは、対象とするプラットフォームの多様性だ。SEOがGoogle検索を主軸としているのに対し、GEOはGemini、ChatGPT、PerplexityといったAIツールおよびGoogleのAI Overviewsに対応する必要があるのだ。
「AIツール対策では、各AIツールに特定のプロンプトを入力し、どのサイトが引用されブランド名が言及されるかを分析します。その上で、サイトごとの引用数とブランド言及数を把握していく流れです。さらにAI Overviews対策では、特定のキーワードを入力し、どのサイトが掲載されるかの確認も必要なのです」(山本氏)
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