宮野社長は「多くの企業はDXを『業務効率化のツール』として使うが、僕らはDXこそが経営の根幹だと位置付けている」と語る。
レジ自動化や在庫管理のシステム化で効率は上がるが、その裏で新たな課題も生まれる。例えば、これまで「レジ打ちが早い人」が評価されていた現場でレジが自動化された場合、その人の評価はどうなるのか――。DX導入で終わりではなく、組織設計そのものを見直す必要があるという。
では、外食業向けのDXサービスは数多くある中で、なぜCRISPは自社開発を徹底しているのか。その理由は「他社のSaaSではデータ連携が限定的だから」だという。
一般的なSaaS企業が、サラダのトッピング配置や注文レイアウトといった現場オペレーションまで踏み込むのは難しい。店舗ごとに条件が異なるため、画一的なサービスモデルでは収益化が難しいからである。
自社開発であれば、顧客満足度や従業員エンゲージメント、売り上げ、利益など経営全体を一体的に最適化できる。例えば、「時給の高いスタッフがいた時間帯に顧客満足度が上がるのか」といった検証も可能になったという。
CRISPは、2027年度末に時価総額300億円以上での東証グロース市場上場を目指す。既存店の成長や新規出店、M&Aなどによって、目標を達成する狙いだ。9月にはアジフライ専門店「トーキョーアジフライ」と事業譲受契約を締結し、新業態にも乗り出した。
「テクノロジーを使えば、もっと世界で戦える魅力的な会社はたくさんある。今の僕らでは、テクノロジーを使ってうまくいっていますと言っても業界を変えられない。業界を変えられる立ち位置を目指す」と宮野社長は意気込んだ。
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