CaseBの鈴木さんは、仕事をAIに丸投げしてしまったために、どう考えて、どういうプロセスで仕事を進めたのかがブラックボックス化してしまった事例だ。かつての“ググる時代”では、新人が調べたURLや文献を共有しながら、「なぜそれを選んだか」「どう考えたか」がプロセスとして見えていた。しかし生成AIでは、出力された答えだけが提出され、プロセスが見えづらくなってしまう。
この変化は新人と上司、それぞれにとって大きな意味を持つ。AIを活用した成果物が良いものであっても、期待値に満たないものであっても、どちらの場合もそれぞれの難しさが生まれるからだ。
AIを活用した成果物が良いものだった場合、
を意識的に確認しないと、本質的な学びにはつながりづらい。
AIを活用した成果物が期待値に満たないものだった場合、
を立ち返って検証する必要がある。
プロセスがブラックボックス化してしまう中で、新人本人は、何が自分の本質的な課題なのかが見えづらくなる。上司は、スキル評価やフィードバックが難しくなってしまうのだ。
CaseCは、生成AIとの競争にさらされて、焦燥感を感じたり、自己効力感が欠如したりしている事例だ。生成AIを積極的に活用する新人の中には、AIと自分の役割の境界が曖昧(あいまい)になり「どこまでが自分の判断で、どこからがAIの出力なのか」を捉えきれなくなっているケースがある。
成果が出ても「これは自分の力なのか」「AIが導いた結果なのか」が分からず、努力と成果の関係を客観的に整理できない。つまり、“自分を俯瞰する力”が働いていない状態だ。また、若年層であればあるほど、生成AIの進化に対しても焦りを感じやすいという現代ならではの課題も生まれている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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