ハワイであえてカプセルホテル？ 稼働率じわじわ上昇、85％の意外な理由：インタビュー劇場（不定期公演）（4/5 ページ）

[土肥義則，ITmedia]

稼働率は85％に

山口：　ターゲットを変えたところ、稼働率が少しずつ伸びてきました。そうした状況の中で、7月末にロシアのカムチャツカ地震の影響で、ハワイ全域に津波警報が発令されました。沿岸地域では住民がきちんと避難したこともあって、大きな被害はありませんでした。

　ただ、交通機関がまひする中で、地元の人から「今日、泊まれますか？」という問い合わせが殺到したんですよね。観光客からも「飛行機が飛ばないので、泊まれますか？」といった声がありました。

　このとき、ほとんどの人が「カプセルホテルに初めて泊まった」と話していました。「カプセルホテルとはこういった施設なのか」「意外に寝心地がよかった」といったコメントがあり、その評判がクチコミで広がったようで。稼働率もどんどん上がっていき、10月現在は85％ほどになりました。

部屋のテレビ

アメニティ

サウナも設置

土肥：　カプセルホテルというのは、1泊利用が多いですよね。ハワイのような観光地で、何泊する人が多いのでしょうか。

山口：　2〜3泊する人が多いですね。日本と違うのは、最初に2〜3泊を予約して、あとから「もう1泊」「さらにもう1泊」と延長して、最終的に1週間ほど滞在するケースもあることです。カプセルホテルに泊まったことがない人にとっては、「どんなところかよく分からないので、とりあえず2〜3泊してみよう」と思う人が多いようですね。

　実際に泊まってみると、「意外と快適かもしれない。宿泊費を抑えられるので、そのぶんを食事や観光にお金を使える」と感じる人も多いようです。

　あと、日本の場合、月曜日と火曜日は比較的空いていて、週末の稼働率は高い。しかし、ハワイは全く読めないんですよね。いきなり、たくさんの人がやって来ることがありまして。

　イベントなどが関係しているかと思うのですが、現地では毎日のようにさまざまなイベントが行われている。「こうしたイベントに参加する人は、カプセルホテルを利用する傾向がある」といった相関関係を分析して、事前に準備していくことが必要かなと思います。

土肥：　稼働率が85％に上昇したそうですが、さらにその数字を伸ばすためには、どのような施策や工夫が必要だと思いますか？