鉄道業務には、泊まりや夜間作業といった不規則勤務や、仕事に合わせたライフスタイルといった「当たり前」が存在する。こうした当たり前にも着目し、勤務制度を改革する。
勤務体制は、不規則勤務を前提とせず、基本は日勤に移行。その中でも残る不規則勤務については、既存の「午後10時〜午前5時」に加え、「午後6〜8時」「午後8〜10時」の特定時間割増手当を追加する。「社員に分かりやすい支給形態とすることも踏まえ、これまでの深夜帯よりも広い時間帯に対し手当を支給することにしました」(広報担当者)
同社では組織再編により、同じ事業本部内でも、業務により所定労働時間・年間休日数がそれぞれ異なるという状況が発生していた。こうした状況を解消するため、職種ごとに異なっていた労働時間・休日数を統一し、年間の所定労働時間も短縮。これまでは、駅などの現業機関の1日あたり労働時間が7時間30分(休日数114日)、乗務員が7時間10分(同114日)、企画部門などが7時間40分(同120日)と職種ごとに異なっていたが、全て7時間20分(同120日)に統一した。
また、従業員のキャリア設計も見直した。これまでは職場マネジメントを担う「管理者」を目指すことが当たり前とされていたが、今後は管理者ルートに加え、オペレーションの高度化や技術面での人材育成を担うテクニカルリーダー職、技術サービス企業としての研究・開発を担うフロンティアスタッフ制度などを設置。複線型の人事運用を拡充する。定年退職年齢は65歳に引き上げ、65歳以降就労希望のある社員に対し、70歳までの再雇用制度を新設するなどシニア活躍にも注力する。
人事・賃金制度の改正は、一部を除き2026年4月1日の実施を予定している。今回の大改正について、社内からは「頑張った分だけ評価され、処遇にも反映される賃金制度となりモチベーションが上がる」「賃金体系がシンプルになり、分かりやすくなった」といった前向きな意見が多く寄せられているという。
一方で「今後の能力昇給において、きめ細やかな評価をどのように行っていくのか」など新たな制度に戸惑う社員も存在するとのこと。こうした社員の不安解消に向け説明会を実施するほか、新制度への移行に当たり、研修など管理者に対する十分なサポート体制を構築して進める方針だ。
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