10月最終週、シリコンバレーのビッグテック4社が相次いで決算を発表した。Microsoft、Alphabet、Amazon、そしてMeta。各社が口をそろえたのは「AI投資の大幅拡大」だった。クラウド事業は軒並み好調で、設備投資額は前年比で2割から6割増。AIブームの勢いを示す数字である。
株式市場の反応は割れた。Amazonの株価は13%上昇し、Alphabet(Googleの持株会社)も7.5%上がった。一方、Metaは13%の急落。Microsoftも下げた。同じ週に、似たような決算を発表したのに、なぜこうも明暗が分かれたのか。
業績そのものは、Metaも悪くない。売上高は前年同期比26%増で、むしろ好調といっていい。それでも投資家は売った。何が違ったのか。
答えは意外なほどシンプルだ。AIゴールドラッシュで、誰が確実にもうけているかを見ればいい。
まずNVIDIA。GPUという「ツルハシ」(硬い土などを掘り起こす工具)を売る商売だ。鉱夫が増えれば増えるほど、収益が拡大する。これが最も堅い。
次にMicrosoft、Google、Amazonの3社。彼らはクラウドという「バス」を運行している。AI企業という鉱夫たちを鉱山まで運び、計算資源を貸し出す。Azureの売上高は前年同期比39%増、Google Cloudは同34%増、AWSは同20%増。鉱夫が殺到すればするほど、バス代収入は増加する。
では、Metaは?
彼らは「鉱夫」そのものだ。自分でツルハシを買い、バス代を払って金を掘りに行く。2025年の設備投資額は720億ドル。ビッグテック3社に匹敵する投資額だが、自社の事業にしか使わない。さらにいえば、GoogleからAIインフラを100億ドル規模で借りてもいる。つまりMetaは、バス代を払う側なのだ。
投資家は気付いた。「御者(ぎょしゃ)」と「鉱夫」では、リスクが違う。運営側の御者は、誰が金脈を掘り当てても収益を得られる。一方、鉱夫は、自分が掘り当てなければ利益を得られない。
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