新人が陥りがちな課題として多いのが、自分の考えたアイデアを伝える時に、相手の脳内に”受け皿”がないままに伝えようとしてしまうことだ。アイデアをつくりあげるフェーズと、アイデアを伝えるフェーズでは、論理の組み立ては全く変わってくる。伝える相手によって、「立場」「前提理解」「興味関心」が異なるからだ。
まず、どんな立場の相手に伝えようとしているのか。社内・社外どちらの人なのか、社内であれば企画の最終決裁者なのか、それとも一緒にアイデアを考える実行者の立場なのか。次に、その相手は、この企画やアイデアについてどのような前提理解を持っているのか。伝えようとしている内容はその前提理解から外れる内容なのかどうか。伝えようとしている相手は、どんな興味関心を持っている人なのか。
これら3つの要素を考えた上で、相手に最も伝わる方法でコミュニケーションを組み立てていくことが求められる。ここでも生成AIにおける拡張が可能だ。アウトプットを提出する前に、上司や顧客など相手の立場で受け止め方を予測し、弱点を補強することに生成AIを活用する。
<STEP3でのAI活用具体例>
(1)提案内容をAIに渡し、相手視点で想定質問や懸念点を出させる
(2)ポジティブ・ネガティブ両方のフィードバックを想定
(3)回答案や裏付け情報を準備
<プロンプト例>
以下の提案内容を、[上司/顧客]に提案しようと思います。[上司/顧客]はxxxという立場で、この問題についてyyyという前提理解を持っています。また直近の関心ごととしてはzzzがあります。あなたが[上司/顧客]の立場だとして、提案内容についてレビューしてください。想定される質問・懸念点を10個挙げてください。
例えば上司の立場と設定しプロンプトを入力すると、以下のような回答が得られる。
<回答例>
以上、思考プロセスに応じたAIによる拡張を見てきた。もう一つ、このプロセスが機能する前提条件、いわばSTEP0があるとしたら、新人と上司の間で、生成AIをどう活用するかを事前に議論しておくことだ。
「AIを使うのは当たり前」の前提に立ち、仕事を依頼するタイミングで「AIをどう使うか」についても対話をする。「このタスクにおいて、どの部分について、どんな目的でAIを活用するか? AIの出力を基に、それをどう批判的に吟味して最終アウトプットにつなげるか」を一緒に言語化し、最初から認識をそろえておく。
また仕事を任せる時に、最初は新人と上司が生成AIツールの画面を共有して、一緒に操作をしてみるのも有効だ。AIを活用した思考拡張の方法を実際に”やって見せ”、イメージを共有する。これまでは上司が新人に仕事を任せるという構造だったが、これからは上司と新人にAIを加えた3者の中で、それぞれがどのような役割を担うのかを、タスクごとに考えることが重要だ。
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